東京都の公立中高一貫校の検査が終了しました。
受験生および保護者の皆様お疲れ様でした。
普段の実力,またはそれ以上の力は発揮できたでしょうか?
春からの中学校生活に向けて,早くも英語の学習を始めている人もいるかもしれませんね。算数も数学に変わり,全教科とも学習内容が難しくなります。気持ちの休まる暇がないかもしれませんが,新たな世界へ飛び出していきましょう!
受検者数について
各校とも例年通り5%前後の欠席者で,そもそもの志願者数が減少していること以外,特筆するような動きは見られませんでした。前回の東京都の倍率速報の記事でも書きましたが,東京都の公立中高一貫校の志願者数(倍率)は減少傾向にあり,捉え方によっては今が狙い目といえます。現在5年生以下のお子様をもつご家庭の方は,早目に適性検査問題に触れ,積極的に受検にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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出題に関して
共同作成問題の導入が話題(http://www.koritsu-taisaku.com/sokuho/3896)となっていましたが,難度はそれほど高くなく,取り組みやすいが差がつきにくい出題だったとい えるかもしれません。すべての学校に関係する,共同作成問題の検査IIについてみておきましょう。
1は,うるう年の話題から始まり,東京オリンピックをスパイスに,数についての問題,そして公転周期(の計算問題)へとダイナミックに展開(飛躍)していきます。
2は,過去と未来の東京オリンピックの話題から始まり,その人口の変化,経済事情についての問題,そして開催都市についての問題と見せかけて地球儀と地図に関する問題と,やはりこちらもグローバルに展開します。
3は,一転して理科実験のような(水中からの発泡スチロールの飛び出し)問題で,図などが多いこともありますが,3題中最長の5ページにわたる出題となっています。そんな理数系統の問題ですが,設問は「求め方を答えなさい。」「文章で説明しなさい。」「理由を答えなさい。」と,すべて記述式の問題となっています。
次年度以降も,共同作成問題は継続されるでしょうから,その傾向と対策として,もう少し深読みしてこの検査IIを見ておきましょう。
- まず『うるう年』ですが,2016年度検査でも,2020年度検査でもないのに『うるう年』を出題してきました。ここから考えられることは,
『うるう年』である,来年2016 年度の検査に『うるう年』絡みの出題はない(のではないか)
ということです。
これは,対策を立てる上で1つのポイントになるでしょう。
年度などの数に関する出題は,過去記事(http://www.koritsu-taisaku.com/jukentaisaku/2271)でも触れています。 - そして『東京オリンピック』ですが,決定の報が流れたのは2013年9月です。その後に行なわれた2014年度の検査で,そのことに触れた東京都立の中学校はありません(九段中は触れています)。ここから考えられることは,
検査問題は9月の時点では出来上がっている
9月以降の時事的なトピックスは出題されない(のではないか)
ということです。
そのような視点で見ると,実際,2015年度の検査で青色LED(2014年10月の話題)は触れられていません。
これは来年(2016年度)の検査で出題される可能性が考えられますね。
東京オリンピックにかこつけて,『経済事情』が出題されることも,過去記事(http://www.koritsu-taisaku.com/jukentaisaku/1931)で触れています。 - 3の理科的な出題も記述問題にするという形式は,適性検査の目指す形でしょうから,今後も継続する形式と見てよいでしょう。これは,
検査Iの共同作成問題の文章1の出典が『理科系の作文技術』
であることからも十分想定されます。
ヤマを張って,偏った学習をすることはよくないですが,
『彼を知り己を知れば、百戦危うからず』(孫子の兵法)
といいますね。
情報が氾濫しているこの時代ですから,効率よく対策することも重要といえるでしょう。
さて,少々気は早いですが,現在5年生の方々は,受検学年としての1年がスタートしました。
お子様自身の頑張りももちろん必要ですが,ご家族のサポートも必要となります。
今年度の検査では,共同作成問題は『様子見』の難度だった可能性もあります。来年(以降),難度が上がるのか下がるのか,どのようなトピックスが取り上げられるのか,といったことも情報として押さえておいてあげると,今後の学習の指針になるでしょう。
上にも書いた通り,こういったいろいろな情報収集をぬかりなく行い,1年かけてしっかりと準備していきましょう。