入試直前見直しポイント
さて、今週末から2月初旬にかけて、全国で公立中高一貫の入試が行われていきます。
受検生の皆さんは、すでに最終チェックを終えているかもしれませんが、最後の最後に対策漏れがないか、もう一度今年注目されそうな項目を確認していきましょう。
「対策漏れがないかの確認を!」も参考にして下さい。
時事問題や時事ネタが検査問題の中で占める割合は、決して高くはありませんが、 信じる者は… ということで、では見ていきましょう。
『倍返し』という言葉
この『倍』ですが、『人一倍頑張る』などと使うこともあります。
人の『一倍』では頑張っていないように聞こえますが、これはどういうことなのでしょうか?
この『人一倍』の『一倍』は江戸時代までの倍数の数え方からの影響のため、みなさんが算数で勉強した「1倍」とは異なりますが、このようなことに疑問をもって自分で調べてみることが大切です。
マイナスイメージの強い消費税について
やや見切り発車ですが、算数の題材としては使いやすいのです。
1円未満切り捨てにより、支払うことの無い金額があります。
- 5%のとき:
最低20円で、以降21円ごとに出てきます。
⇒41円,62円,… - 8%のとき:
最低13円で、以降13円、14円ごとに出てきます。
⇒26円,40円,53円,67円,… - 両者で支払うことの無い最低の金額は188円で、以降189円(21と27の最小公倍数)ごとに出てきます。
⇒377円,566円,…
最初を-1円と考えられれば楽ですが…
伊勢神宮と出雲大社の遷宮
20年ごと、60年ごとでは、最小公倍数と絡めての出題はなさそうですね。
出雲大社のご神紋が正六角形なので、面積の問題などで正六角形が出題されることが考えられます。
奉納行事での流鏑馬(やぶさめ)は的に当たった得点など問題にしやすそうです。
また、陰暦(とくに神無月でしょうか)が出題されることもあるかもしれません。
オリンピック関連
オリンピック直接(五輪のマークなども)の出題は、いろいろと問題があるので、オリンピックについて出題される場合は、その周辺になるでしょう。
新幹線
前回の東京オリンピックの直前に開通しており、リニア新幹線と絡めて題材にはしやすいですね。
東京と新大阪間の移動にかかる時間が、
- のぞみ:約2時間30分
- ひかり:約3時間
- こだま:約4時間
と計算しやすい数値になっていることから、作問もしやすそうです。
イスタンブール(トルコ)・マドリード(スペイン)・ブエノスアイレス(アルゼンチン)
場所や地名が問われる可能性は低いでしょうが、それぞれの経度から時差を計算させたり、気温や降水量のグラフからわかることを書きなさい、といった出題は考えられます。
五輪マーク
正式マークの「どこにどの色が」ということや、五大陸(オセアニア・アジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカ)が問われる可能性は低いでしょう。
算数的には、
- 3色で塗り分けると何通りか
- 円周の内側と外側の長さの差
- 一筆書き
などと、出題しやすい題材なのですが、やはり直接的な出題ではなく、変化球で出題してきそうです。
- 図のような旗を4色で塗り分けると…
- A君とBさんは一筆書きができる図形とできない図形についてまとめてみました…
ふたご座流星群、アイソン彗星などの天体分野その1
それぞれ観測時期には話題になりましたが、検査問題としては、直接題材になることは考えにくそうです。
ブルームーン、中秋の名月などの天体分野その2
ブルームーンは定義が2種類あったりと、直接の題材としては使いにくいのですが、二分二至(春分、夏至、秋分、冬至)や単純に『月』としての出題の方が可能性は高いでしょう。
旧暦で8月が秋にあたることは、国語としての出題も考えられます。
『月』にまつわる変化球的なこととしては、
月見団子の積み方
多段に積んだ団子(球)の個数の問題
月見蕎麦から蕎麦の原材料に関して
中国、アメリカからの輸入
- 殻:枕として
- 実:お茶や焼酎として
- 茎や葉:サラダとして
- 花:ハチミツなど
作付面積や収穫量について、気候などが適した地域についての出題ができそうです。
樋口一葉「十三夜」
現行紙幣の人物なので、知名度的には取り上げられてもおかしくはないですね。もっとも、この作品の前に「たけくらべ」「にごりえ」といった有名どころもあるので…
月見の由来
豊作祈願、収穫の感謝などですが、出題するにはやや弱いでしょうか。
秋(春)の七草
一見出題しやすそうですが、地域や時代によって扱う種類が異なるため、直接の出題は考えにくく、七種あげたうえで特定のものについて掘り下げたり、といった形式になるのではないでしょうか。
月の周期関連
- 月の満ち欠け周期29.53日から、29日を「小の月」30日を「大の月」
西向く
士 などと言いますね - 月の公転周期27.3日(約28日とされている)から、28と6の完全数(28=1+2+4+7+14,6=1+2+3)について
6は1週間の7日から日曜を抜いた6(日)と言われています。ただ、これに続く完全数が496,8128,…と大きいので、出題はしにくそうです。
完全数からは、友愛数、メルセンヌ数といくのが常ですが、こちらも中学入試では出題はしにくそうですね。
富士山関連
世界遺産となりましたが、やはりこちらも周辺が要チェックでしょうか。
社会や理科としての出題
駿河湾を臨み、静岡県と山梨県にまたがっています。
農林水産の出題の宝庫でしょう。
- 静岡県:お茶・ミカン…
- 山梨県:ぶどう・もも…
活火山であることも押さえておきたいところですね。
富士五湖から、逆さ富士(本栖湖)、日本銀行券(お札)と考えるのは、ややいき過ぎでしょうか。
文化や芸術としての出題
竹取物語や万葉集など、いろいろな物語や歌集に登場しています。太宰治の「富嶽百景」も有名ですね。
松尾芭蕉、与謝蕪村、小林一茶の俳句もありますが、ここまでは踏み込み過ぎでしょう。葛飾北斎の「富嶽三十六景」は何点か目にしたことがあるでしょう。
数字を用いた出題
「3776」や「2014」からは、1から10まで作ることが可能です。
また、3776mはスカイツリー(634m)の約6倍なので、何かしら問題が作れそうです。3776も2014も26も取り立てて問題に使いやすい数字でもないので、それほどまでに注目する必要は無いかもしれません。
あえて見ておくなら、カプレカー数(桁を並べ替えて最大にしたものから最小にしたものの差を取ったとき、元の値に等しくなるもの)くらいでしょうか。
最後に
いろいろと書きましたが、検査では多くの雑学(?)を知っているかどうかではなく、落ち着いて取り組むことの方が重要です。
あわてて解ける問題をとりこぼしてしまうことなく、いままで学習してきたことに自信を持って臨みましょう。
勝利の栄光を君に!!